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「太陽を食べる系」と「地球を食べる系」

 偶然途中から観たテレビ(7月25日NHK Eテレの「ヘウレーカ」)で、「太陽を食べる(生態)系」の他に、「地球を食べる(生態)系」が見つかったことで、太陽(恒星)からの距離に関係なく、地球外生命体を探せるようになったという話をしていました。
 テーマは、地球外生命体が見つかる可能性だったのですが、それよりも「太陽を食べる系」以外に、「地球を食べる系」があったということの方に興味を持ちました。

 植物は太陽の光で光合成をして、太陽のエネルギーを蓄えます。その植物を動物が食べ、またその動物を別の動物が食べるという食物連鎖が成り立っています。生命のみなもとは、太陽であり、このような生態系を「太陽を食べる系」と呼んでいます。
 太陽が生命の中心であるという考えは、古来、日本の天照大神やエジプトのラーなど世界各地で太陽が神格化されていることから、人類共通でもあります。

 ところが、太陽の光の届かない2千メートル以上の深海でも、豊かな生態系が存在していることが発見されました。そこでは数百度という熱水が噴出していて、その周囲には、熱水に溶け出した鉱物や化学物質を利用した微生物やエビ・カニなどを含む豊かな生態系が展開されています。この生態系は太陽とは関係ないので、「地球を食べる系」と呼ばれているのです。
 太陽がすべての生命のみなもとであると考える立場からすると、「地球を食べる系」は、まったく思いもよらない生命のシステムです。

 生命以外のエネルギーで考えてみると、石炭や石油といった化石燃料の元は、古代の植物や動物なので、太陽エネルギー由来です。しかし、核エネルギー(原子力発電)や地熱エネルギー(地熱発電)などは、地球由来のエネルギーです。人間の利用するエネルギーの観点からは、既に「太陽由来エネルギー系」と「地球由来エネルギー系」があり、太陽由来エネルギーのみという考えから脱却しています。

 固定観念から脱却することで、可能性が広がります。
 当たり前と考えられていたことから抜け出して発想を変えることは簡単ではありません。「太陽を食べる系」が当たり前で、人類共通の認識でもありましたが、深海の「地球を食べる系」が発見されたことで、惑星そのものに依存する生態系も探索しようということになりました。探索範囲が広がることで、地球外生命体の発見の可能性が大きくなったのです。

 今回は、事実からヒントを得て、固定観念から抜け出すことで可能性を広げたという例ですが、そもそも固定観念にとらわれずに発想を柔軟にしてさまざまな可能性を探るという方法もあります。やみくもにあらゆる可能性を検討するのは、人生という時間の制約もあり、賢明とはいえません。しかし日頃から柔軟な発想を心がけていれば、一見何のつながりもないものの間の関係性を見抜けることがあります。
 別の機会に、固定観念や従来の常識にとらわれずになされた医学・医療上の発見の例を取り上げたいと思います。
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